小学校

教師人生25年の元教員が打ち明ける!学校社会はつまらない?子育て世代が考えるべきこととは。

大切な我が子にはきちんとした教育を受けさせたい。

そんな親の想いから見ると、現在の教育制度では不十分だと思っている方も多くいらっしゃるのかもしれません。

今回は25年という間、公立小中学校の教師として、また海外の日本人学校でも働いた経験がある本木さん(※仮名。以下同様)に、教師という立場から見た学校教育のお話を伺いました。

親からの規制が、教師と生徒の触れ合いの時間を減らしていく。

「最近の教育現場では、本当に様々な事務作業に忙殺されてしまっているので、子供たちと触れ合う時間が減ってしまっています。」

ゆとり教育が始まる前から教師として勤めていた本木さんは、その当時は今のような事務仕事はそれほど多くなかったと言います。

具体的にどんな仕事が増えたのですか、という問いにも明確にこれが増えましたとは言えないくらい、1つだけ見たら本当に小さな事務仕事が、徐々に徐々に何年もかけて積み重なり『子供たちと触れ合う時間が減った』という結果をもたらしているようでした。

なぜ忙殺されるほど事務仕事が増えてしまったのでしょうか。その理由の1つとして、規制という問題があるそうです。

「現場で問題が起こるとその度に規制や通達がやってくるので、1つ1つに対応するために事務作業が増えているのかもしれません。」

例えば運動会でケガをしてしまった生徒がいたら、昔は保護者も大らかな対応をしていましたが今は大きな社会問題になる場合もあり、各学校に通達がやってきて学校で組体操を行わなくなったということもあります。

それ以外にも学級通信に自分の子供が写っていなかったら学校に連絡がきたり、給食が献立通りに出てこなかったためにクレームがきたり。

そのため教師はクレームが来る前に謝罪のプリントを配るようにするといったような対策を取るようになり、小さな事務作業が増え続けていきます。

「誤解を生じる行為はさせない、しないように気をつけています。トラブルの元になるような行動には気をつけていましたね。」

モンスターペアレントなんて言葉を以前聞いたことがありますが、我が子かわいさに学校側にクレームを入れる親が増えたため、対応するための教師の負荷がどんどん増え続けている現状を聞くと、教師側からするととても働きにくい現場になりつつあるのではないでしょうか。

また、なんでもかんでも親が前に出て必要以上に子供の面倒を見てしまう家庭の教育方針は、次第に子供の自立性を奪っているのではないかという疑問も感じました。

教師は聖人君子ではなく、同じ1人の人間なんです。

「教師には休み時間はないんですよ。食事の時間は給食指導、休み時間はトラブル指導。形式上は休み時間は存在しているのですが、実際の現場は何が起こるかわからないので、オンオフの区別はしづらいんです。」

常に何が起こるかはわからない教育現場は、オンオフをつけられるような時間で区切られた仕事ではありません。

そのため朝早く子供が登校してきてトラブルが起こる可能性を考えて、本来教師の出勤時間が8:15だとしても、本木さんがいた学校の教師はほとんど1時間前には学校にいるようにしていたそう。

「人を預かる仕事ですから、人命・人権は絶対に譲ってはいけないんですよね。これに対応が遅れてしまったら学校社会の意義がありません。だから教員はトラブルには迅速に対応しようと常に心がけています。」

オンオフもなく、常に大小様々なトラブルに対応しようとする教師たち。

そんな彼らに世間が持つのは聖人君子、常に潔白、完璧な存在、といったイメージが多いですが、実は教師もみんな1人の人間なのです。

「教師のくせに、と言われることはよくありました。教師は立派であるべきだと、イメージを押し付けられる言い方も多くされてきましたが、教師とはいえ完璧な人間ではないんです。」

確かに私達は教師という職業の人を別格で完璧な人だというイメージを持ちがちだと思います。

ニュースで流れる逮捕の映像に『会社員〇〇』と表示されているのと『小学校教師〇〇』と表示されているのを見ると、何故か自然と、教師なのに何やってるんだと思ってしまう人も多いのではないでしょうか。

しかし教師といえどほとんどが社会での経験をすることなく、大学卒業後ストレートで教師になる人がほとんどだと言います。

世間が求めている聖人君子で全てが潔白という教師像は理想であり、教師も子供や親や社会人と同じ、1人の人間です。

好き嫌いという感情もあれば、お酒だって飲むし、たまには間違うことだってある。それが本当の教師の姿でもあるのです。

「みんなが同じ」から「個性を認める」環境を。

「教員が教えているのは、もしかしたら極端な平等意識なのかもしれません。画一化・協調を良しとされてしまうから、学校社会はつまらないとも言われてしまうのかもしれないですね。」

1年生にまず教えることの1つとして、学習ルールの徹底という項目があるそうです。

机の上には教科書はこの位置、筆箱はこの位置、なんてことまで指導することもあるのだとか。

その理由は、学習ルールを徹底させれば共同作業ができるようになり、指導もしやすくなるという側面もあるからだと言います。

学校教育というのは一斉教育をする場所です。

全員を同じ方向に同じ速度で導くために『みんな一緒に』『みんなと同じことをする』ことが前提にあるので、全てが画一化の道に進んでいってしまいます。

だからこそ学校改革をしたいと言う教師や、人と違う考え方をする生徒は周りから反発に合ってしまう。そのため次第に、個性を出せない環境が自然と出来上がっていってしまうのです。

そしてみんな一緒であるべきという教育を受け続けた子供がいざ会社に就職しようとすると、いきなり『みんなと違う個性』を求められるという、教育の入り口と出口には大きな隔たりが生まれてしまっています。

「一斉教育ではなく少人数での教育になれば、個性を活かした指導が絶対にできるようになります。今の教育の現場は、一斉教育をしなければいけない前提の中で奮闘しなければいけないから教師への負担が大きくなっているのだと思いますね。」

日本と海外の教育を比べてみても、日本の教育は答えが1つの教育なので「1+3=」という問題が出てくるので、答えは「4」しかありません。

一方海外では「4=」という問題が出てくるので、「1+3」も「0.1+3.9」もどちらも正解です。

ただしいきなり、こういった海外の教育方法や少人数での教育やディスカッション制を取り入れても、今度は教師が対応できなくなってしまう可能性も出てきてしまいます。

だからこそ教師自身も、社会人経験をしてから教師になったり、自分の幅を広げるための勉強をしてみたり、育てるための経験をたくさんしていくべきだと本木さんは言います。

「学校では何かを一方的に教えてもらう場所から、学び合う場所に変換していく過渡期なのかもしれません。学校をもっと面白い場所にしようと思ったら、飛び抜けた子が認められるような環境にしていかなければいけませんね。そうした教育改革が起これば、日本の未来は明るいのではないでしょうか。」

教師も一斉教育という範囲の中で、必死に子供たちのことを考えて動きますが、所詮学校は一斉教育という枠の中。どうしても画一化という道から外れることは難しい環境です。

日本の教育が変わるのを待つか、それとも学校では画一化を学ぶ場所だと線引をして、個性や人と違うことを認める環境を作るためにどうするかを考えるのが子育て世代の親の役目なのかもしれません。

少人数制の教育を行う民間に依頼して通わせるのも1つ、家庭の中で子供と向き合い個性を見つけて、褒めて、伸ばしていくのも1つ、方法は多岐に渡って存在しているはずです。

学校がつまらない、面白くない、何もしてくれないと内情を知らずに嘆くだけでなく、子供のために何ができるのかを考え直す時期が、日本の教育現場に訪れているのかもしれません。

大切な我が子のために、学校でも家庭内でも、どんな環境を作っていくべきか考えてみませんか?

勉強する女の子

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